(5月30日、2020年度定期総会が開かれた四賀寮の共有スペース)
5月30日に開催された2020年度年度定期総会で承認された書類は以下の通りです(総会の報告は->こちら)。
・事業報告書(2019年度〔令和1年度〕)
・活動計算書(2019年度〔令和1年度〕)
・貸借対照表(2019年度[令和1年度])
・財産目録 (2019年度[令和1年度])
・事業計画書(2020年度〔令和2年度〕)
・活動予算書(2020年度〔令和2年度〕)
6月8日に、 まつもと子ども留学基金より信濃毎日新聞社宛に、「記事訂正の再考を求める申入書」を発送した際に、 信毎新聞社の回答書を精査する中で、誤解を解くためになお訂正の必要のある記載が2点あることが判明しましたので、それについても訂正の申入れを追加しました。
その結果、今回の記事訂正の申入れの全体は、以下の正誤表の通りとなります(下線部分が、今回、追加したもの)。
記事訂正の正誤表(追加分を含む)
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誤 (記事の記載) |
正 (訂正申入れの記載) |
① |
「共同代表の一人 退任の事態」 |
「共同代表の一人 当初の予定通り退任」 |
「植木宏理事長は(3月)17日の理事会で謝罪を提起。反対多数で否決され、今月末での退任を申し出た」
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「植木宏理事長は(3月)17日の意見交換の理事会に急遽、参加。理事の意見を聞いた末に自ら議案を撤回し、当初の予定通り今月末で退任する」 |
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② |
「共同代表は(3月17日に)法人の調査では事実関係の確認に至らず、‥‥法人としての謝罪を理事会で提案したが否決された」 |
「共同代表は法人としての謝罪を理事会で提案したが、3月17日にまでに、提案者が提案理由の事実を明らかにしなかったので、撤回した」 |
③ |
「子どもは18年11月、法人側に相談。関係者が聞き取ったが確認できず、理事の配置転換などはしなかった」 |
「子どもは18年11月、スタッフのことで法人側に相談。関係者が聞き取った結果、事実関係が確認でき、問題の決着がついた。その際、関係者の配置転換などはしなかった」
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④ |
「複数の関係者によると、寮で子どもの世話に当たっていた理事が、思い詰めて「死にたい」と話した子どもに「死ぬ前に玄関とトイレの掃除をして」と置き手紙を書いたとされる‥‥ 子どもは18年11月、法人側に相談。関係者が聞き取ったが確認できず、理事の配置転換などはしなかった。子どもは寮を出た。」 |
「子どもは18年11月、スタッフのことで法人側に相談。関係者が聞き取った結果、事実関係が確認でき、問題の決着がついた。その際、関係者の配置転換などはしなかった。19年7月、スタッフの都合のため寮運営体制の見直しにより寮を出て市内下宿の体制が決定された。子どもが新らたな寮に移る前日に至り、置き手紙を書いたという話題が取り沙汰された。」
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4月7日の投稿「3月29日信濃毎日新聞の記事について」(以下、本投稿といいます)につきまして、その後の経過を以下のとおり時系列で報告します。
なお、 NPOまつもと子ども留学基金を以下、単にNPOといいます。
月 |
日 |
出来事 |
4 |
10 |
NPOから信濃毎日新聞社(信毎新聞社と略)宛に、本投稿で報告しました記事の訂正と謝罪を求める申入れ書を発送(13日に配達済み)。 |
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15 |
信毎新聞社より報道部長(報道部長と略)名でNPO監事宛にFAXで「申入書に『訂正を求める理由についての裏づけ証拠再取材で提示する用意がある』旨なので、再取材の機会を設定したい」と申入れあり。 |
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16 |
松武理事長より報道部長に電話連絡、再取材を17日14時に信毎新聞社で実施と決定。 |
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17 |
松武理事長ら訪松、3名の理事と報道部長1名で再取材。裏づけ証拠を示しながら訂正理由を説明。これに対し、報道部長、持ち帰って検討して結論を出す旨を表明。 |
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22 |
報道部長より理事に、回答を「電話でお話をお願いしたい」旨のメール送信。 理事より報道部長に「貴社の回答を理事会に正確に伝えるために書面による回答をお願いしたい」と返信。 報道部長より「書面での返信をとのことですので、内部で検討します」と返信あり。 |
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23 |
報道部長より理事宛に1枚の書面で「全体として記事の内容を否定するものではなく、現時点で訂正の必要はないと考えております」旨の回答書が届く。 |
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30 |
NPOから信毎新聞社宛に、4点の記事の訂正及び取材の経過について再説明を求める以下の申入書を発送。 ①.記事の訂正について、4点の記事の訂正の必要なしという結論に至った理由につき、NPOの申入書と同程度のご主張および再取材でNPOが提示した裏づけ資料と同程度の裏づけ資料に基づいて説明をして頂きたいこと。 ②.取材の経過について、NPOが「信毎新聞社の取材のやり方の不誠実さ」と考える次の3点について、見解と理由を示してご回答して頂きたいこと。 第1に、本年3月28日、当NPOへの初めての取材にもかかわらず、その数時間後には原稿が出来、翌日の記事になるという早業は、当NPOの取材は単なるアリバイ作りではないのか。 第2に、昨年暮れ、記者はNPOの寮生に取材するにあたって、事前にNPOに取材の申込をし許諾を得ていなかったこと。 第3に、本年3月24日、記者はNPOに取材するに先立って、NPOに取材の申込をした際、本件記事の人格否定発言や謝罪問題について取材したいと取材目的を告げず、当日、取材目的の説明を承る積りで対応したNPO理事に対し、いきなり人格否定発言や謝罪問題について取材を行なったこと。 |
5 |
11 |
午前、NPO理事より信毎新聞社報道部長宛に、状況確認の問合せメール。
午後一番、「コロナのため、慎重な対応が求められていること等の理由で、返信に要する調整は進めております」旨の返信あり。 |
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18 |
信毎新聞社より編集局長名でNPO宛に回答書が送付。結論は、4点の記事訂正の申入れに対し、いずれも訂正の必要はないこと、取材の経過についても謝罪の必要はないというもの。 |
6 |
8 |
前記回答書を精査した結果、種々の不明点、誤解、矛盾等が判明、このままでは本件記事についてNPOは会員・支援者に対し説明責任を果たすことができないと判断、NPOより信毎新聞社宛に、記事訂正等の再考を求める申入書を発送(9日に配達済み)。 その際、前記回答書の精査の中で、誤解を解くために訂正の必要のある次の記載2点について訂正の申入れを追加。 ①.第2の記事訂正:「共同代表は法人としての謝罪を理事会で提案したが否決された」の下線は正確な事実はなく、「共同代表は法人としての謝罪を理事会で提案したが撤回した」と訂正すべき。 4段目の「植木宏理事長は17日の理事会で謝罪を提起。反対多数で否決され、」も「植木宏理事長は17日の意見交換の理事会に急遽、参加。理事の意見を聞いた末に自ら議案を撤回し、」と訂正すべき。 理由は、この日の理事会は、決議をせず意見交換の予定だったところ、急遽、登場した前理事長が議事進行を仕切り、出席理事全員に謝罪問題に対する見解をただし、各理事の意見を聞いた末に、前理事長が一方的に議案否決を宣言して帰ったもので、理事会が自ら謝罪議案を否決する決議をした事実はないことは議事録に照らしても明らかなこと、従って、これは、前理事長が出席理事全員の意見を聞いた結果、彼が提案した謝罪議案を自ら取り下げた(撤回した)と解釈するのが適切。 ②.第4の記事訂正:「子どもは寮を出た。」は正確ではなく、「子どもは新らたな寮に移った」と訂正すべき。 理由は、本件記事が話題にしている昨年9月の「寮を出た」は、「退寮」という意味ではありません。このとき、寮生は四賀地区の家を出ても依然、NPOの世話を受けながらNPOの支援者の家とNPOが借りているアパートで暮らすという寮運営体制が変更されただけだから。しかし、「子どもは寮を出た」という表現では、子どもが「退寮」し、この時点で当NPOとの関係が終了したかのように一般読者が誤解する。 また、前記回答書には種々の不明点があり、以下をはじめとする10点の質問を提出。 ――NPOが申入れた4点の記事訂正を構成する各事実について、前記回答書は、4点について裏づけとなる取材の中で把握した情報を明らかにしました(例えば第1の記事訂正なら、「3月17日の理事会対応に起因したもの」だとする前理事長の証言)。そうだとしたら、この取材結果の信用性を検証するために、本件記事掲載の前日にNPOを取材する機会を持ったのだから、その際、記者はこれらについて検証するチャンスがあったにもかかわらず、なぜ、この点について事実関係をひとつも確認しようとしなかったのか。もしこの時、これらについて質問しNPOの見解を取材さえしていれば、その時点で、今までの取材結果に重大な疑問点があることが判明、このままでは記事を書くことはできないと判明したはずなのに、なぜ、記者はそのような初歩的な検証すらしなかったのか。 |
2013年8月31日の第1回総会(NPO設立総会)開催以来、8回目の総会となる2020年度年度定期総会を、2020年5月日、 まつもと子ども留学基金 四賀寮で開催しました。
(四賀寮の庭の畑より〔6月4日撮影〕)
1.日時: 2020年5月30日(土)13:00 ~ 15:30
2.場所: 長野県松本市五常
3.出席者:正会員総数13名のうち出席者 6名・表決委任者 6名
4.審議事項
第1号議案 2019年度事業報告
第2号議案 2019年度決算報告
第3号議案 監査報告
第4号議案 2020年度事業計画(案)
第5号議案 2020年度予算(案)
第6号議案 役員改選
理事: 退任 種市靖行 村井清昭
以上の議案について審議し、全て承認されました(承認された書類の詳細は->こちら)。
5、報告事項
まつもと子ども留学基金は、福島原子力発電所事故後、拡散された放射性物質から子どもたちの健康を守るため、汚染エリアから継続的に離れて暮らす留学事業を実施してきました。平成26年4月から現在まで8名(当時中学生6名、小学生1名)が入寮し、2名(当時男子中学生)がホームステイの形で福島の親元を離れて生活を送ってきました。今年3月には松本市内の高校に通学していた2名が卒業をむかえ、まつもと子ども留学基金を離れてそれぞれの道に進みました。法人設立から現在までの7年間、多くの方々のご支援によって留学事業を実施できましたこと、心から感謝申し上げます。
一方、昨年度も新規入寮者募集を様々な形で行ってきましたが、新規入寮には結びつきませんでしたので、現時点において寮で生活する子どもたちはいません。背景には原発事故後、国の放射線リスク矮小化のため、小児甲状腺癌は多発しているのにも関わらず、放射線の危険性に関する認識が希薄になっており、子どもだけ県外に出すことが困難になっていることなどの理由が上げられます。
しかし、原発事故後、9年を過ぎた現在でも依然として事故は収束せず、放射性物質の大気と海中への放出が継続され、今でも汚染地帯の子どもたちは制約の多い生活を余儀なくされています。チェルノブイリでは事故後30年以上経過している現在においても健康被害は収まってはいません。当基金として、福島とチェルノブイリ原発事故後の現状を認識しながら、新年度の入寮者はありませんでしたが、引き続き留学募集を実施していきます。
保養事業は昨年度夏、冬の2回実施しました。保養はチェルノブイリ事故後、ウクライナ、ベルラーシでは国家事業として実施され、その思想は病気の予防原則にあります。当基金ではその考えを踏まえ、今年度の保養事業は①環境下に拡散した放射性物質から離れ、制限された外遊び、自然体験・表現活動をできるだけ取り戻す ②事故を起因とする心と身体の不調を取り戻すためのプログラム 以上の2点を柱に据えながら市民型公共事業として実施していきます。
ただ、現在世界に蔓延しているコロナ感染症は、保養のあり方にも大きく影響しています。当面、当基金の保養は合宿型の受け入れは中止とし、一家族単位の受け入れに限定すること、衛生面の対策など十分考慮しながら実施していきます。7月中に福島県内にて,保養・留学説明会を実施しますので、詳細はHP上でお知らせします。
なお、その他の報告として、3月29日信濃毎日新聞朝刊にまつもと子ども留学基金に関する記事が掲載された件で、記事にはその内容において、また取材の経緯においても大きな問題があり、報道機関の記事として到底、適切なものではないと判断し、4月10日に信濃毎日新聞社へ記事訂正等の申入れを行ったところ、新聞社からの申入れにより4月17日に再取材となりました。これとその後の経過の詳細につきましては、HPに報告しました通りです(詳細は->こちら)。
以上、報告でした。