2013年8月31日の第1回総会(NPO設立総会)開催以来、8回目の総会となる2020年度年度定期総会を、2020年5月日、 まつもと子ども留学基金 四賀寮で開催しました。
(四賀寮の庭の畑より〔6月4日撮影〕)
1.日時: 2020年5月30日(土)13:00 ~ 15:30
2.場所: 長野県松本市五常
3.出席者:正会員総数13名のうち出席者 6名・表決委任者 6名
4.審議事項
第1号議案 2019年度事業報告
第2号議案 2019年度決算報告
第3号議案 監査報告
第4号議案 2020年度事業計画(案)
第5号議案 2020年度予算(案)
第6号議案 役員改選
理事: 退任 種市靖行 村井清昭
以上の議案について審議し、全て承認されました(承認された書類の詳細は->こちら)。
5、報告事項
まつもと子ども留学基金は、福島原子力発電所事故後、拡散された放射性物質から子どもたちの健康を守るため、汚染エリアから継続的に離れて暮らす留学事業を実施してきました。平成26年4月から現在まで8名(当時中学生6名、小学生1名)が入寮し、2名(当時男子中学生)がホームステイの形で福島の親元を離れて生活を送ってきました。今年3月には松本市内の高校に通学していた2名が卒業をむかえ、まつもと子ども留学基金を離れてそれぞれの道に進みました。法人設立から現在までの7年間、多くの方々のご支援によって留学事業を実施できましたこと、心から感謝申し上げます。
一方、昨年度も新規入寮者募集を様々な形で行ってきましたが、新規入寮には結びつきませんでしたので、現時点において寮で生活する子どもたちはいません。背景には原発事故後、国の放射線リスク矮小化のため、小児甲状腺癌は多発しているのにも関わらず、放射線の危険性に関する認識が希薄になっており、子どもだけ県外に出すことが困難になっていることなどの理由が上げられます。
しかし、原発事故後、9年を過ぎた現在でも依然として事故は収束せず、放射性物質の大気と海中への放出が継続され、今でも汚染地帯の子どもたちは制約の多い生活を余儀なくされています。チェルノブイリでは事故後30年以上経過している現在においても健康被害は収まってはいません。当基金として、福島とチェルノブイリ原発事故後の現状を認識しながら、新年度の入寮者はありませんでしたが、引き続き留学募集を実施していきます。
保養事業は昨年度夏、冬の2回実施しました。保養はチェルノブイリ事故後、ウクライナ、ベルラーシでは国家事業として実施され、その思想は病気の予防原則にあります。当基金ではその考えを踏まえ、今年度の保養事業は①環境下に拡散した放射性物質から離れ、制限された外遊び、自然体験・表現活動をできるだけ取り戻す ②事故を起因とする心と身体の不調を取り戻すためのプログラム 以上の2点を柱に据えながら市民型公共事業として実施していきます。
ただ、現在世界に蔓延しているコロナ感染症は、保養のあり方にも大きく影響しています。当面、当基金の保養は合宿型の受け入れは中止とし、一家族単位の受け入れに限定すること、衛生面の対策など十分考慮しながら実施していきます。7月中に福島県内にて,保養・留学説明会を実施しますので、詳細はHP上でお知らせします。
なお、その他の報告として、3月29日信濃毎日新聞朝刊にまつもと子ども留学基金に関する記事が掲載された件で、記事にはその内容において、また取材の経緯においても大きな問題があり、報道機関の記事として到底、適切なものではないと判断し、4月10日に信濃毎日新聞社へ記事訂正等の申入れを行ったところ、新聞社からの申入れにより4月17日に再取材となりました。これとその後の経過の詳細につきましては、HPに報告しました通りです(詳細は->こちら)。
以上、報告でした。